オンキヨー世界点字作文コンクール ONKYO WORLD BRALLE ESSAY CONTEST

アジア・太平洋地域 ジュニア・グループ 佳作 「IT時代、そして私の日常生活における点字の意義」
ベトナム  ルオン・ティ・トラ・マイ(17歳・女性)

科学技術が進化し、テキストや画面読みあげソフトが入ったコンピューターやスマートフォンが開発されるにつれて、視覚障害者の教育や雇用の機会はずいぶん増えました。それにも拘わらず、視覚障害者にとって点字が果たす役割の重要性は損なわれていません。点字はまさに知識への扉であり、情報技術にアクセスするための基礎でもあります。

実際、点字は、私のような視覚障害をもつ全ての学生にとって、欠くことのできないものです。私は、授業で点字を使ってノートをとりますし、コンピューターが使えないときにも、時々点字を使います。点字を使って書き、その点字を読むことで、知識をより早く吸収し、学んだことをずっと覚えておきやすくなります。数学の授業の内容や、障害者や視覚障害者が困難を乗り越えて成功を収めた話が私の記憶に残っているのは、こうした素晴らしい点字のページのおかげです。

私の感情や深い感動、生活に起こった出来事を綴った日記のあらゆるページで、点字は私に伴走します。このように、点字盤と点筆だけで、私は人生の最高の思い出を記憶にとどめることができます。

さらに、点字教科書は、視覚障害を持つ学生にとって貴重なリソースであり、生きた知識を容易にかつ具体的な形で得るための助けとなります。そのような知識に、いつでもどこでも、能動的にアクセスできることは、全ての視覚障害者に希望をもたらします。学校の授業中も、また能力開発プログラムに参加しているときも、私は完全に点字盤と点筆に頼っており、晴眼者の同級生や他の参加者の助けを求める必要はありません。

私が勉強したり、課題をこなしたり、試験を受けたり、メモを取ったりすることができるのを見て、視覚障害者に対して否定的な考えを持っていた晴眼者の同級生たちは、考えを変え、私の記憶力が良いことや知識をすぐに統合できること、一人で勉強できることに感心するようになりました。このことで、私は自分に自信を持てるようになり、困難を克服して、良い成績をとりたいと強く思うようになりました。このように自信をつけた私は、大胆にも大学の課外活動に参加し、さらに盲人協会が主催するコンテストにも出場できるようになりました。

新聞や文学作品などの点字出版物の作成には、確かに時間もコストもかかるでしょう。また、多くの人々の努力や貢献が必要なのも事実です。しかし、点字出版物は、視覚障害者にとって、勉強や仕事のストレスを癒し楽しみを与えてくれる、とても有益なものなのです。ですから、大切なものとして保存しなければなりません。

現在はテクノロジー4.0の時代と言われていますが、ベトナムのような貧しい国では、視覚障害者向けのIT機器はまだ一般的ではありません。全ての視覚障害者がコンピューターやスマートフォンを買えるだけのお金を持っているわけではありません。さらに、トレーニングを受けなければ、あるいはガイドラインや取扱説明書を記録するための点字を知らなければ、これらの機器を使いこなすことはできません。ですから、私たちは、やはりあの点字の小さな点や点字盤や点筆を親友としなければなりません。彼らがいなければ、自信をもって意思疎通するための能力や努力を発揮することができないからです。

点字のおかげで、私の人生はより素晴らしいものになりました。学校に行き、自信をもってコミュニティの一員として活動し、どんなに困難な状況にあっても、人々が互いに愛し合い、分かち合い、思いやり、助けあう、文明的かつ現代的な生き方を経験することができます。点字は本当に私の人生を変え、自信をもって他人の役に立つことができる人間にしてくれました。点字は確かに、夢や野望を実現するための礎を私に与えてくれます。