オンキヨー世界点字作文コンクール ONKYO WORLD BRALLE ESSAY CONTEST

アジア・太平洋地域 シニア・グループ 佳作 「音楽は視覚障害者の社会における尊厳を高める」
ミャンマー  マ・カウン・ブラム・ナン(50歳・)

「音楽」は短くて、簡単で単純な言葉ですが、その力はとても大きくて、深みがあり、広範囲に広がります。音楽の効果は、政治、教育、社会福祉、そして人間社会全体の経済において、感じられます。実際のところ、そういったものは全て、何らかの形で音楽と混じり合っているのです。

誰もが音楽を作曲できるわけではありませんが、誰でも音楽の効果を感じることができます。そのため、誰もが音楽を愛し、賞賛し、宝物のように大切にしています。メロディーの波が世界中に広がると、人々は熱狂することもあります。このように、私たちは皆、生活の多くの部分において、音楽に影響されています。実際、私は人間である以上、音楽の網から逃れられず、網の中にからめとられています。

6歳のころ、私は音楽を聴いたり、楽しんだりすることはできましたが、音楽について何も知りませんでした。歌詞の意味はわからなくても、歌を聴くのが大好きでした。歌は本当に多くの喜びを与えてくれました。その歌は、大人たちがギターを弾きながら歌うものでした。ラジオで放送されることや、祭りのときにアンプから流れてくることもありました。そのメロディーを聴くと胸が高鳴り、私は楽しい気持ちになりました。

ある日、学校で系統的に音楽を勉強する機会が与えられました。それまで夢にも思っていなかった機会や経験が豊富に手に入るようになったのです。歌を歌い、音楽を奏でることができるようになったので、国立劇場やホテル、レストランなどの特別な場所で演奏する機会が増えました。ミャンマーの人気歌手や映画俳優や女優の伴奏として、楽器を演奏することもできました。これらの経験は特別な場として、人生のページに刻まれています。私たちの盲学校が国家指導者の視察を受けたときには、演奏を披露する機会にも恵まれました。彼らの賞賛の言葉は、私に勇気や精神的な強さと自信を与えました。

それから、ミャンマーのさまざまな州や地方をツアーで回る機会もやってきました。タイ、マレーシア、日本、アメリカといった外国にも行きました。これらのツアーの目的は盲学校の資金集めでした。

このように音楽のおかげで、私の人生は徐々に磨かれていきました。私は視覚障害者ではありますが、音楽によって社会での地位と尊厳を与えられ、また私の音楽は他の人々を幸せにしました。例えば、精神病院やハンセン病院、老人ホームに行って、入院患者や入居者を音楽で元気づけました。

その後、私は自分が歌う歌を自分で作るようになりました。1992年の国際障害者の日は12月3日でしたが、その日のために「有能な人」という歌を作りました。私の歌はミャンマーラジオテレビ局で放送され、そのおかげで私は全国的な人気を得ました。

2008年5月2日、壊滅的なサイクロンがミャンマー全土を襲いました。あの恐ろしい日に起こったことは、誰も忘れることができません。サイクロン「ナルギス」によって多くの人々の命が奪われ、また多くの人々が家を失いました。この惨状に、人々は希望を失い、無力感に陥りました。彼らの苦しみを理解し、共有するにつれ、「嵐の夜」という歌に、私は深い感動を覚えました。

まさにこのことが、音楽が人間社会のあらゆる状況に適用できることを実証しました。音楽は、人々を鼓舞し、奮い立たせるために用いることができます。喜びに満ちた踊りを通じて、安らぎをもたらすことができます。ミュージシャンが分かち合い、温かみを伝え、踊るサウンドは、あらゆる場所に永遠に響き渡ります。

私が残した音楽の「魂」は、私が死んだ後、何百年も生き続けるかもしれません。多くの人々が、私の歌を歌い続けるかもしれません。過去の古い歌は、現代の楽器によって、演奏する場に合わせてアレンジすることができます。新しく若々しい歌となって、人々を楽しませることでしょう。新しい世代の若いミュージシャンが現代的なスタイルで昔の歌を歌うと、世代を超えて音楽を伝えるために、昔の歌が新たによみがえったように思えます。

私たちは爆発的に登場した新技術とともに、音楽の流れの中にいます。私たちは、ラジオやテレビ、インターネットプログラムの助けを借りて、音楽を築き、研究し、学び、消費しています。それによって、私たちの周囲の人々や世界に平和と繁栄をもたらしています。これは私たち全員にとっての義務でしょう。木々が地球を緑で覆い、生気を与えるように、音楽は社会全体を穏やかにします。そして、音楽には人々の文化と尊厳を保つ力があります。したがって、私たちは皆、音楽を通じて平和を実現するために、全力を尽くさなければなりません。

最後に、私たちの世界をメロディーで彩れば、視覚障害者の尊厳は高まります。ことわざにもあるように、「水位が上がれば、ハスの花も高く上げられる」のです。私たちの音楽における創造力が高まれば、社会における人間の尊厳もより高まるでしょう。これは絶対的な真実です。