オンキヨー世界点字作文コンクール ONKYO WORLD BRALLE ESSAY CONTEST

ジュニア・グループ 優秀賞 西アジア・中央アジア・中東地域 「視覚障害者の社会、教育、自立の現状」
インド  スメラ・カーン(21歳・女性)

「決意があれば限界はない」
という言葉は、成功に向けて確固たる決意を持った障害者にまさに適した言葉です。

ここで、5分間目をつぶってみてください。最初の2分間はリラックスすることができるでしょう。でも、すぐに落ち着かなくなり、目を開けてまわりに広がる美しい世界を見たくなるでしょう。知ってのとおり、目は神様が与えてくれた貴重な贈り物であり、そのおかげで、誰にも依存せずに日々の活動を遂行することができます。アメリカのトーマスJ. キャロル神父は、「視力を喪失すると生活を妨げる20の喪失に直面する。しかし、目標を達成する機会と設備が与えられたら、容易に乗り越えることができる」と言っています。

以前は、視覚障害者の考え方は後ろ向きなので、家族の一員ではあるが生産的な活動は何もできない、と思われていました。後ろ向きな考え方になってしまう主な原因は、親が視覚障害のある子どもをどう育てればよいか、知らないことでした。親は、衣食住といった人間として基本的に必要なものを子どもに提供することが、親の務めであると感じていました。また、目が見えない子どもは、いったい人生で何を成し遂げることができるのだろうか、という問いを心に抱いていました。福祉施設でも十分な指導をすることができず、学校でさえも、視覚障害児がどのように移動をするのか、他の子どもたちが視覚障害児を同級生として受け入れるだろうか、といった懸念があり、視覚障害者児を受け入れる準備ができていませんでした。教師も、視覚障害児への指導方法や試験の実施方法などがわかりませんでした。

親も視覚障害のある子どもの親であるという烙印を押されることを、恥ずかしいと感じていたため、子どもを家の中に閉じ込めていました。家族の行事やお祭りをはじめ、晴眼者と関わるような集まりに参加させたがりませんでした。

企業も、訓練や基本的な教育を受けていない視覚障害者が、いったい会社に何をもたらしてくれるのだろうかと思い、その雇用には消極的でした。

現在、こうした状況は少しずつ変わってきています。親をはじめ家族が子どもの障害を受け入れて、はじめて早期介入が可能になります。視覚障害のある子どもを重荷としてとらえるのではなく、子どもの全体的な成長に向けて一歩を踏み出さなければならない、と親が気づきはじめました。そして、NGOなどの組織に連絡をして、視覚障害のある子どもの育て方を学び、子どもの未来のために最善の道を選択したりし始めています。視覚障害のある子どもが、親からの愛情を受けて自分が守られていると感じると、目の前に立ちはだかる障害を受け入れて、乗り越えるための大きな勇気を得ることができ、目標を達成しようとする気持ちが高まります。

最近では、NGOやその他の団体が家庭訪問プログラムを通して、視覚障害のある子どもの育て方について親に話をするなど、視覚障害者の生活形成において重要な役割を果たしています。このプログラムを通じて、視覚障害児は学校教育における困難を乗り越えると同時に、点字や移動、方向感覚、色、形、大きさ、感覚の発達といった、通常の学校教育にはない活動をしたり、技能を身に着けたりすることができます。

以前は、普通学校は視覚障害児を受け入れる準備ができていませんでしたが、障害のある児童も普通学校で一緒に学べるような政策を具体的に講じたことによって、今では障害児も普通学校への入学が認められています。これによって、視覚障害児にも平等な機会と経験が与えられます。視覚障害児が晴眼の児童と一緒に学び、競い合うなど、この制度は多くの効果をもたらしています。教員も、視覚障害児に対するさまざまな指導方法を試し、晴眼の児童は視覚障害児を友達として受け入れ、困っているときには手助けをしてあげます。また、どういうマナーや礼儀が社会で受け入れられているか、あるいは受け入れられていないか、などについても晴眼の児童が視覚障害児に教えてあげたりしています。こうした環境に置かれると、視覚障害のある子どもも晴眼の児童から隔離されているのではなく、むしろ仲間の一員であると感じることができます。

先進技術によって、学問的、社会的、専門的な意味で、視覚障害者は世界を見ることができます。今ではこうした支援技術がない生活を想像することはできません。技術によって視覚障害者も便利で快適な生活を送ることができます。スマートフォン、点字プリンター、画面読み上げ機能付きパソコン、触覚メーカー、ソニックラベラー、電子白杖などの技術のおかげで、視覚障害者の生活が依存から自立へと変わりました。

方向感覚や移動の訓練は、視覚障害者には欠かせません。訓練によって五感を駆使し、白杖を使って一人で移動できるようになります。例えば、視覚障害者が一人で移動するときは、五感を使って自分がどこにいるのかを判断できなければなりません。もちろん白杖は、歩いている道の上にある障害物を検知する助けになります。今ではほとんどの人が白杖は視覚障害者を象徴するものだということを知っていて、視覚障害者が助けを必要としているときには近寄って手を貸す姿が見受けられます。

私は、教育こそが競争社会を前向きにとらえ、社会の否定的な態度を変える鍵であると確信しています。私の心に響いた言葉を引用して、この作文を締めくくります。「過去に戻ってそもそもの始まりを変えることはできません。しかし、今いるところからスタートして終わりを変えることならできます。」