オンキヨー世界点字作文コンクール ONKYO WORLD BRALLE ESSAY CONTEST

シニア・グループ 佳作 西アジア・中央アジア・中東地域 「デジタル技術がつくる未来」
アラブ首長国連邦  アビール・アブドラ・エララ(45歳・女性)

コンピューターとクラスターネットワークの登場以来、情報通信技術(ICT)は世界中で急速な発展を遂げてきました。19世紀に起こった蒸気機関の発明による第一次産業革命から、20世紀の電力の発見による第二次産業革命、1960年代のコンピューターとインターネットの開発から始まる第三次産業革命を経て、21世紀に始まったICTの発展による第四次産業革命へと、先進国の産業は発展してきました。新しいデジタル技術が世界にもたらす最大の変化は何でしょうか。また、どのような未来が予測できるでしょうか。

科学技術の進歩や産業の発展に伴い、また現代社会のニーズや要求に応じて、産業が日々改良を重ね、より高度なものへと進歩していることは間違いありません。第四次産業革命の特徴は、そのスピードと複雑性、そして生活のあらゆる分野に広範囲で包括的な影響をもたらすことです。

今日、デジタル技術は科学技術開発の分野で著しい成長を見せており、主に人工知能(AI)、ロボット工学、3D印刷、自動運転車、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーがそれを牽引しています。

新しいデジタル技術は、経済、社会、政治、文化、科学など、あらゆる領域のシステムを一新し、全く異なるものへと変化させるだろうと期待されています。

現在のところ、科学者や研究者、音楽家、芸術家、作家たちは、世界の未来にプラスの影響を持つという観点から、クリエイティブな産業と最新のスマートシステムに特に興味を示しています。ところが一方で、各分野の専門家による地球規模の報告書や調査の結果では、スマート技術とその利用によるマイナスの側面が示唆されています。たとえば将来多くの職業がなくなり、多くの国で雇用機会が減少したり伝統的な職業が減ったりするというものです。スマート技術の発展によって新しい職業が生まれる可能性もあり、また、設計製作における3Dプリンター、ロボットや知能システムのプログラミングによる品質や生産性の向上が期待できます。しかしその陰で、世界中で多くの伝統的な職業が消えていくでしょう。将来は、自動運転車が大型車両や小型自動車にとって代わるでしょう。ロボットが病院や手術室で看護師の仕事をしたり、介護士の代わりに家庭で高齢者の世話をしたり、レストランで料理人やウェイターの代わりをしたりすることも予想されます。ホテルの従業員、店員、家政婦、建設作業員、工場労働者、洗車場の労働者、その他の重労働で単純な作業に従事する人たちの代わりに、ロボットが働くようになるかもしれません。

ロボットには多くの特性と利点があります。例えば、ロボットを使うと1日に処理できる仕事量が増え、時間と労力を大幅に節約できます。天文の分野では宇宙ステーションでの利用や宇宙船内で行われる実験での利用も可能です。さらに、鉱山開発、爆破解体、炭鉱作業、考古学の発掘作業、金山や油井での採掘、真珠や珊瑚を採る潜水作業といった危険な仕事や、その他の命の危険を伴う難しい仕事にも使うことができます。

現在のデジタル技術は農業工学にも大きな影響を与えるでしょう。遠隔操作が可能なプログラムができれば、場所に関わらず農地の土壌や灌漑を管理することができます。スマートシステムを利用して、害虫や昆虫の被害にあった作物についてのノウハウを手に入れ、可能な限り迅速に、最小限のコストと労力で害虫や昆虫を駆除することもできます。

また医学にも大きな影響を与えるでしょう。人間の目にはほとんど見えない体細胞ほどの大きさで、神経と感覚信号を介して脳細胞と通信する、ごく微細な細胞の詳細なデジタル画像があれば、ほとんどの慢性疾患を予防できるようになります。デジタル技術の未来は、ナノカードセラピーに見ることができます。これは視覚、聴覚、運動機能障害などほとんどの身体障害に効果があります。デジタル技術の進歩により、ナノカードセラピーで聴覚障害者は聴覚を取り戻しました。いずれ視覚障害者も視力を回復して世界を見ることができ、足が無い人も新しい足で立つことができるようになるでしょう。障害の程度や複雑さに関わらず、あらゆる障害の解決策を見つけることができます。データに短時間でアクセスできるように、全てのデータと情報を保存する高度なデジタルベースが作られるでしょう。

航空機業界の高速化と進歩によって空港での搭乗手続きの遅れがなくなり、長い旅行は短い旅へと変わります。高性能の飛行機が開発され飛行時間が短縮されます。飛行時間はせいぜい2時間ほどになるかもしれません。近年のデジタル化によって、かつて12時間だった飛行時間が今では2時間もかからないのです。

教育システムにも大きな変化が訪れるでしょう。教科書はタブレットに変わり、悪天候や体調不良で授業を欠席しても、オンラインで家にいながら授業を受けられるようになります。

大学、新聞社、出版社などに置かれている本もほとんど電子書籍に代わるでしょう。電子書籍は、情報の検索速度が速いことから利用者が増えています。また、日常生活での買い物なども、お札ではなくスマートカードで決済することが一般的になるでしょう。

これから数年のうちにデジタル技術はいくつかの段階を経て進歩し、世界、特に科学技術が進んでいる西側諸国では医学、薬学、工学、農業、研究、教育、産業、技術革新、発明、環境、健康など、あらゆる分野で驚異的な発展が起きるでしょう。

私たちが20世紀のフィクション映画の中で見たことが、今では身近なところで現実となっています。それを可能にしたのは人類の頭脳です。最新のスマートシステム開発の主力となり、世界中のソフトウェア、発明品、最新の発見の主要な源泉となっているのもすべて人類の頭脳です。